《百人一首》汇集了日本王朝文化七百年的100首名歌,是最广为流传的和歌集。熟读百人一首,更能了解日本文化哦。一起来了解日本人对美、自然、爱情的感悟吧。
『古今集』雑上・872
上の句:天つ風雲のかよひ路吹きとぢよ
上の句読み:あまつかぜくものかよいじふきとじよ
下の句:をとめの姿しばしとどめむ
下の句読み:おとめのすがたしばしとどめん
作者/歌人名:僧正遍昭(そうじょうへんじょう)
■現代語訳
天を吹く風よ、天女たちが帰っていく雲の中の通り道を吹き閉ざしてくれ。乙女たちの美しい舞姿を、もうしばらく地上に留めておきたいのだ。
■ことば
【天つ風(あまつかぜ)】「天つ風」とは「空高く、天を吹く風」のこと。ここでは「天を吹く風よ」と呼びかけた形になっています。「つ」は「沖つ波」などと同じで、「の」と同じ意味の古い格助詞です。
(风吹着天。)
【雲の通ひ路(かよひじ)】雲の中にある、天上と地上を結んでいる通路のことで、天女がそこを通って天と地を行き交うと考えられていました。
(天女来回穿梭天地之路。)
【吹き閉ぢよ】「雲を吹き飛ばして、天女の通り道を閉ざしてしまえ」という意味です。通り道を塞げば、天女が天上に帰るのを妨げることができるからです。
(把云吹散,天女就无法上天了。)
【をとめの姿】
「をとめ」とは「天つ乙女」、つまり「天女」のことです。この歌は陰暦11月の新嘗祭(にいなめさい)翌日に宮中で披露される「五節の舞」を舞う少女たちのことを歌ったものですが、少女を天女に見立てています。
【しばしとどめむ】下二段活用動詞「とどむ」の未然形に意志の助動詞「む」の終止形がついた形で、「しばらく止めておこう」という意味です。舞う乙女たちがあまりに美しく、いつまでも見ていたいので、天に帰ってしまうのを、しばらくストップさせよう、という意味です。
(しばらくストップさせよう的意思。)